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大学寄付金戦略を実例から学ぶ!大学側がとるべき行動とは

文章:上田正暁

 

大学への寄付金は、大学の運営や学生への支援などに充てられる重要な収入源です。

しかし、国内大学の収入において、寄付金が占める割合は諸外国に比べて低くなっています。

引用:平成30年度文部科学省寄附フォーラム配布資料
寄附に係る基礎資料」より

 

その理由には日本と海外との寄付文化の違いがあり、国内での寄付金格差はブランド力や卒業生の母校愛、就職実績や歴史の差が影響しています。

これらの要因は大学側の努力によって変えることは難しいですが、少子化の流れの中でも中長期的な収入が期待できる寄付金収入は魅力的であり、かつ寄付金徴収額を上昇させる方法はたしかに存在します

こちらの記事では、成功事例を参考に寄付金戦略のポイントを解説していきます。

 

 

寄付金の使い道の明確化

国家の予算が何に使われているのか注目されるように、「自分が寄付したお金が何に使われているのか」、「それに対して納得できるか」が支援者の判断に影響を与えます。

では、その寄付をする側の理解を得られる環境を整えるためには、どのように寄付金の使途を説明するべきか、事例とともに考えていきます。

 

サイトでの告知や情報の開示

第一に寄付金サイト上で使途についてわかりやすく解説し、成果の報告などを行う必要があります。

こちらは同志社大学の寄付金サイトです。
漠然とした使途の説明ではなく、具体的なプログラム内容や寄付金を募ることによってどのような問題を解決することができるのかを理解できる内容になっています。

また、別のページでは寄付の実績と使途別の割合をグラフで開示し、支援者の理解と安心につながる作りになっています。

 

複数の寄付金徴収プランの導入

複数の寄付金徴収プラン導入の検討は支援者の理解を得られるだけでなく、大学のどのような事業を支援したいのか、その気持ちに寄り添うことができます。

順天堂大学での取り組みでは、使途指定寄付金制度を導入しています。
この制度は寄付金の使途を明らかにした上で、支援したい事業に対して直接寄付ができる制度です。

望んでいない使途で寄付金が使われる不安を支援者から取り除くことができることに加え、「他の事業にはそこまで賛同しないが、この事業であれば支援したい」という方も巻き込み、寄付ができる魅力的な事業を展開することで寄付金の規模拡大につなげることも可能です。

 

また、クラウドファンディングを利用した方法もあります。
こちらの関西大学の事例では、目標金額を上回る寄付を募ることに成功しています。

クラウドファンディングの利用でも寄付金の用途を明らかにし、賛同する事業へピンポイントに寄付できる窓口をつくることが可能です。
この方法であれば卒業生以外にも外部サイトを通じて新たな支援者の開拓につなげられるでしょう。

クラウドファンディングに関してはさまざまな法規制などがあり、それらについても後ほど詳しく解説します。

 

寄付金に対するリターン

寄付と聞くと、「ただお金を渡すだけで返ってくるのは感謝だけ」というイメージを抱いている卒業生も多いのではないでしょうか。

実際は大学への寄付にはさまざまなメリットがあり、それをアピールし、どれだけ魅力的に見せられるかが寄付金徴収拡大の重要なポイントになります。
寄付のリターンについての法律や議論から、他大学はどのように寄付のリターンを魅力的に見せているかなどを解説していきます。

 

リターン有の寄付に対する議論と法規制

ふるさと納税において返礼品の競争が起きた際などに、「見返りを求めての寄付は寄付と言えるのか」という議論がありました。
これは、「寄付は事業を支援するためにするものだ」という前提によるものです。

しかし、寄付文化がまだまだ浸透していない日本において寄付をしやすい環境づくりの足掛かりとして返礼品などのリターンは有効であり、全面的に否定することはできないのではないでしょうか。
ただ、返礼品を贈る場合には寄付は事業の支援という目的を忘れず、主客転倒にならないよう注意する必要があります。

寄付に対するリターンの法規制に関してですが、「クラウドファンディングを利用して返礼品を贈る場合には寄付金額の3割以内に抑える必要がある」と総務省が定めています。
また、資金を募り、それによって得た収益の一部を分配する”投資型”と呼ばれる形態のクラウドファンディングでは、第二種金融商品取引業の登録が必要です。

ふるさと納税のように大学側が寄付を募り、それに対して物品などのリターンを贈るかたちであれば金融商品取引法の規制を受けず、返礼品に関しても特段の規定はありません。
(※文部科学省問い合わせより 2021年1月8日訂正)

後述する減税措置に関しては国立大学法人や公立大学法人、大学共同利用機関法人等に対する寄付金、学校法人や独立行政法人、国立研究開発法人等に対する寄付金に対しては国や地方公共団体に対する寄付のように減税措置が適用されると定められています。

 

寄付金による減税措置

前述したように、大学への寄付金に応じて支援者は減税措置を受けることができます。

近畿大学の例では、寄付金ページ内でかなり目立つようにリンクが配置されており、個人/法人とそれぞれの減税措置についてアクセスできるようにサイトデザインがなされています。

また、支援者にとって特に魅力的に映る部分は文字を強調、図などを利用してわかりやすく、複雑な減税システムを簡潔かつ魅力的に伝えているところもポイントです。

 

返礼品システムの導入

クラウドファンディングやふるさと納税のように、寄付金額に応じて返礼品を贈る取り組みをしている大学もあります。

桜美林大学「ふるさと桜募金」

桜美林大学では、ふるさと桜募金というかたちで返礼品付きの寄付システムを展開しています。
大学グッズだけでなく、卒業生や大学のゆかりの地に関連した返礼品を用意しており、支援者にとって魅力的に見せるだけでなく、卒業生との関係性の深化に加え、近隣地域との結びつきの強化が見込めます。

下記の記事では、ふるさと桜募金を立ち上げたご担当者のインタビュー記事を掲載しています。ぜひご覧ください。

青山学院大学 万代基金「青学ギフト」

また、青山学院大学では万代募金ゴーアップキャンペーンと称し、卒業生に関連した返礼品が贈られる寄付制度を導入しています。

こちらは青山学院大学を卒業された方が役員を務めている企業の商品を返礼品として取り上げ、それぞれの返礼品の紹介とともに卒業生の青山学院大学への思いが綴られており、寄付を通じて母校愛の向上と卒業生コミュニティの活性化が期待できます。

青山学院大学では返礼品付きの寄付制度を開始してから実際に効果が出ており、万代募金ゴーアップキャンペーンを導入した2018年は、前年比で約45%寄付件数が増加しています。(2018年度 寄付実績報告より)

 

このようなかたちのふるさと納税型寄付金に関しては、下記の記事にてより詳しく紹介していますので、よろしければそちらも併せてご覧ください。

 

 

玄関口である寄付金サイトのデザイン

魅力的な制度や取り組みを導入するだけでなく、それをどう見せるかが寄付金戦略において重要です。

分かり辛く、アップデートされていなさそうな印象を受けてしまうサイトでは大学側の誠意が伝わらず、寄付に対するモチベーションも下がってしまいます。

では、寄付したくなる、またはしやすいサイトデザインとはどういったものか、紹介していきます。

 

寄付金トップページの明瞭さ

寄付金トップページに求められる条件の第一に、支援者が知りたい情報にスムーズにたどり着けることが挙げられます。

ただリンクを散りばめるだけでなく、直感的にどこへいけばいいか理解できるよう、ある程度まとまりを持たせることが重要です。

青山学院大学の寄付金サイトのトップページでは今、重要視されているコロナ関連の支援金のお願いを強調しつつ、サイト上部で直感的に情報を入手できるようリンクが整理されていることに加え、
寄付に特典があるという特徴を端的にアピールできる作りになっており、わかりやすく、魅力的なサイト作りがなされています。

加えてSNS運用なども進んでおり、「ふるさと納税」などの興味を惹くキーワードを使用したうえで告知がされています。

寄付の魅力を活かすべく、サイトへのアクセスと認知を促す情報発信もサイトの充実と両輪で取り組んでいく必要があります。

 

寄付へのアクセスのしやすさ

杏林大学のホームページでは、トップページの最上部に寄付金サイトへのリンクが設置されており、寄付金への意識をサイト訪問者に促す作りになっています。

寄付金サイト自体も、大きくわかりやすいリンクを随所に設置し、ユーザーが知りたい情報に到達しやすいサイトデザインだといえます。

 

支払方法の充実

寄付の魅力と誠意が伝わっても、寄付金を送る手段が面倒な書類やシステムではモチベーションを下げてしまいます。

裏を返すと、手軽な支払方法を採用していることをアピールできれば、寄付が身近に感じられ、意識も高まる可能性もあります。

青山学院大学の寄付金サイトは、トップページにて利用できる決済方法が記載されており、その中にはAmazon payも含まれています。
電子マネー決済なども取り入れ、支払い方法を充実させる試みは寄付をしてくれる方に寄り添う努力と寄付の手軽さを伝える上で重要なポイントです

また、ふるさと納税ポータルサイトの「さとふる」がpaypayでの支払いに対応したこともあり、支援者側の利便性向上は注目されているテーマといえるでしょう。

この機会にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

安心と理解を促すサイト

桜美林大学の寄付金サイトのトップページには、寄付の使い道に加え、支援者からのメッセージ、感謝の声が見られるようになっています。

こういった取り組みは実際に寄付をしている人が満足のいく寄付制度を取っていることのアピールだけでなく、寄付金が実際に大学関係者の役に立っていて感謝されている実感を与えられ、寄付への安心感と理解を促し、寄付へのモチベーション向上につながる取り組みであるといえます。

こちらはまた青山学院大学の取り組みになりますが、サイト下部に訪問者のカウンターを設けることで、自分だけでなく多くの人が寄付を検討しているという実感と、寄付に対する安心感を支援者に与えられる良いアイデアの一例です。

 

おわりに

各大学の寄付金戦略を事例とともにご紹介しましたが、どの大学にも共通していることは、より寄付金を魅力的に見せるべくサイトを整えるなど、支援者に寄り添う努力を精力的に行なっている点です。

大学の収入事情が危ぶまれる中、寄付金戦略を今一度見直す一助となれば幸いです。

 

笑屋株式会社では、寄付金戦略のお悩みやサイトリニューアルのご用命、寄付金増加のための施策などをご提案させていただきます。

どうぞお気軽にご相談下さい。

 

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